バディ・みなみやま
A5判/並製 138頁(巻頭カラー) ISBN978-4-86333-213-3 C0073
本体価格2,000円(税込2,200円) 2024年12月1日発行
著者紹介
バディ・みなみやま
昭和25年三重県生まれ。南山大学卒。
名古屋市を生活圏としてジャズ道に邁進。
サラリーマンの傍ら、ディスコグラファー、『ジャズ批評』『スイングジャーナル』等でライターとして活動。名古屋ブルーノートジャズアドバイザー(2003–2012年)のほか、ラジオ番組のナビゲーターも務めた。
半世紀を越えるレコード蒐集を皮切りに“ジャズ”に関するコレクター。コレクションは、音盤・映像、雑誌、文献、写真集、ツアーパンフ、ポスターほか、約2万点以上を誇る。
主な得意分野(洋楽のみ)はスウィングジャズ、モダンジャズ、ビッグバンド、ジャズ・ヴォーカル系。
巻頭カラー Art of Excellence アナログギャラリー“今月の一枚”
プロローグ
Preface ジャズのゴミ屋敷こそは人生の彩
1 ビギン・ざ・ビギン“世迷い言・道楽趣味”事始め
2 名古屋の“ハコ”事情
3 まさかの大物ジャズメンに続々とお目通り なんでもありの顛末記
4 ジャズメンたちの愛すべき素顔拝見 おっと!?失礼……プライバシィを覗き見
●閑話休題 名古屋ブルーノート♪裏話アラカルト
5 直に触れ合えた名ドラマーたち ジャズマン交流日記(ドラマー編)
●脱線与太話 思い出深い♪彼の地のハコたち
6 極上のスウィングも生歌から ジャスメン交流日記(ジャズヴォーカリスト編)
7 印象深き恩人ミュージシャンたち ジャズメン交流日記(オーケストラ編)
8 私の贔屓ピアニストたち ジャズメン交流日記(ピアニスト編)
●One More Time ! ジャズ界レジェンドたちと♪
9 “ジャズ”モノ書き
あとのつぶやき
深甚の謝意を込めて
Fujita Yoshihisa
Translated by Douglas Robertson Reynolds and Paul Sinclair
藤田佳久著
ダグラス・ロバートソン・レイノルズ、ポール・シンクレア訳
A5判/上製カバー装 216頁 ISBN 978–4–86333–208–9 C3020
本体価格3,000円(税込3,300円) 2024年3月発行
著者・翻訳者紹介
Author(著者)
Fujita Yoshihisa. 藤田佳久 愛知大学名誉教授
Translators(翻訳者)
Douglas Robertson Reynolds. ダグラス・ロバートソン・レイノルズ(1944-2020)
Paul Sinclair. ポール・シンクレア カナダ・レジャイナ大学経営学部准教授
Introduction
Chapter 1. Prologue
Chapter 2. Arao Sei Reconsidered
Chapter 3. The Foresight of Konoe Atsumaro
Chapter 4. Nezu Hajime: A Literary and Military Prodigy
Chapter 5. In the International Metropolis of Shanghai
Chapter 6. The Big Trip
Chapter 7. In the Eye of a Storm
Chapter 8. Some Shoin Graduates Become Shining Stars
Chapter 9. The Birth of Aichi University
Chapter 10. A Leap into the Future
Postscript
Chronology
Reference and Related Works
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編
発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 120頁 ISBN978‒4‒86333-207-2 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2024年3月20日発行
中国「伝統衣装」の発展と儒学の影響──唐・宋時代を中心として
唐・元・清朝期における服装の「漢化」と「胡化」──「中華民族多元一体構造」論との関連から
旗袍の近代革命──誰が「チャイナドレス」を作ったか
女性の社会進出がメディアに与えた影響
中国人にとっての「家族」とはなにか?──ドラマ『小歓喜』から見る日中における家族観と教育観の違い
映像のなかの日中伝統文化の表現──両国の美学とロマンの相違
石黒 淳
A4判/上製カバー装 xii+262(全274)頁 ISBN978‒4‒86333‒200‒3 C3070
本体価格 10,000円(税込11,000円) 2024年3月3日発行
「はじめに」より
インド中央部にある寒村カジュラーホに遺るヒンドゥー教寺院は壮観だった。外壁の神々や天女立像、ミトゥナ(「男女一組」の意)の立像などは洗練されていて美しかった。 カジュラーホは村に散在する寺院も豪華で素晴らしいが、当時は村人も少なく、観光客もほとんど訪れない、のどかで心休まる場所でもあった。 カジュラーホは私にとって心の故郷のようなところである。カジュラーホに行くと、ただいま ! という気持になる。何度行ってもまた行きたくなる、そんな場所でもある。 一般にはあまり知られていないカジュラーホとカジュラーホのヒンドゥー教寺院のことを、本書を介して、少しでも知って頂くことを願っている。
石黒 淳(いしぐろ あつし)
1945年 愛知県名古屋市に生まれる。
1969年 名古屋大学文学部(美学美術史)卒業。
1970~1971年 インド政府奨学生としてカシミール大学に留学。
1976年 名古屋大学大学院博士課程中退。同年~1985年 同大学文学部助手。
1985~1990年 名古屋造形短期大学助教授。
1990~2016年 愛知学院大学文学部教授。
1993~1994年 同大学在外研究員としてハーバード大学にてP.チャンドラ教授のもとでインド美術史を研究。
1 ラクシュマナ寺院
2 ヴィシュヴァナータ寺院
3 カンダリヤー・マハーデーヴァ寺院
4 デーヴィー・ジャガダンバー寺院
5 チトラグプタ寺院
1 ヴァーマナ寺院
2 ジャヴァーリ寺院
1 ドゥーラーデーオ寺院
2 チャトゥルブジャ寺院
参考文献
写真一覧
陳又津 著 明田川聡士 訳
四六判/フランス装 344頁 ISBN978-4-86333-198–3 C0097
本体価格2,300円(税込2,530円) 2023年10月25日発行
人類史上最大の高齢者時代がやってきた!
暴走老人+家出美少女+クラウド・ベイビー+台湾一周青年
=インターネットコミュニティ「霊界通信」
国民党退役軍人の老陳は、病院で知り合った老姜と義兄弟の契りを交わし、旅に出ることにした。
大学生の江子午は自分探しのため、ヒッチハイクで台湾一周を目指している。台東で雨宿りするなか、二人の老人と出会う。
トランスジェンダーの莉莉は15歳、女子校で美少女体験中。突然死した六爺からのメッセージを受信し、お葬式を出すことに。
バス旅行で父を亡くした梅宝心は、海上で散骨中に死んだはずの父からの友達リクエストを受け取る。
それぞれ異なる性、年齢、人生を歩む「わたし」を語り手とする四章の物語は、医療・介護の問題などに題材を広げながら、ときに皮肉、風刺、ブラックユーモアを交えて描き出される。
陳又津(ちん ようしん)Eugene Yuchin Chen
1986年、台湾・台北近郊の三重生まれ。作家、エッセイスト。国立台湾大学戯劇系卒業、同修士課程修了。
著作に『跨界通訊』(本書、印刻出版、2018)、『少女忽必烈』、『我有結婚病』、『我媽的宝就是我』、『新手作家求生指南』、『準台北人』など。受賞歴に時報文学賞(2014)、香港青年文学賞(2013)、新北市文学賞(2011)など。
明田川聡士(あけたがわ さとし)
1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部准教授。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画、現代中国語圏の文学と映画。
♦台湾文学セレクション
重層的な共同体の記憶のなかに多様なアイデンティティを受容する台湾から、世界にひらかれた現代文学作品を紹介するシリーズ。
編集委員:黄英哲・西村正男・星名宏修・松浦恆雄
再生──日本の読者へ 陳又津
春の章 死に急ぐ老人──陳秋生の二カ月前
夏の章 クラウドで逢いましょう──江子午の今
秋の章 美少女体験──莉莉の十年前
冬の章 霊界通信──梅宝心の一年後
「新二代」作家が描く少子高齢社会のいま 明田川聡士
Editor: Shin’ichi Sakuraki and Peter Kornicki
Publisher: The Japan Academy
Distributor: ARM Corporation
編集:櫻木晋一/ピーター・コーニッキー
発行:日本学士院
発売:あるむ
A4判/上製カバー装 262頁 ISBN 978-486333-196-9 C3021
本体価格 10,000円(税込11,000円) 2023年6月30日発行
日本古貨幣のコレクションを世界に紹介する JAPANESE ANCIENT COINAGE シリーズの第1巻。
デンマーク国立博物館が所蔵する、明治初期に二人のデンマーク人ブラムセンとクレブスによって収集された日本古貨幣1278枚(中国・韓国・ベトナム貨幣44枚を含む)について、詳細な貨幣情報の一覧とともにすべての原寸大カラー図版を収録。そのコレクションは、日本古代銭貨である皇朝銭から近世初期の銭貨、寛永通寳、古金銀、明治期以降の近代貨幣類に及ぶもので、古銭学研究者・収集家にとって必見の一書。
Authors(執筆者):
Shin’ichi Sakuraki(Professor, Asahi University)
Peter Kornicki(Emeritus Professor, University of Cambridge)
Nobuhisa Furuta(Former researcher, Institute of Oriental Currency)
Rasmus Holst Nielsen(Curator, National Museum of Denmark)
Michael Andersen(Head of Research, National Museum of Denmark)
Hisashi Takagi(Professor, Osaka University of Economics)
Coin authentification and appraisal(貨幣鑑定):
Nobuhisa Furuta
Forord (Rane Willerslev, Direktør, Nationalmuseet)
Preface (Rane Willerslev, Director General of the National Museum)
Acknowledgments (Shōichi Satō)
The Making of This Catalogue (Shin’ichi Sakuraki and Peter Kornicki)
The Royal Collection of Coins and Medals (Rasmus Holst Nielsen and Michael Andersen)
William Bramsen and Otto Krebs: Two Danish Coin Collectors in Meiji Japan (Peter Kornicki)
Bramsen’s Will and an Obituary (Peter Kornicki)
Catalogue of Bramsen’s Japanese Numismatic Books (Peter Kornicki)
The Coins of Japan (William Bramsen)
Notes on Japanese Iron Coins (William Bramsen)
Commentary on Bramsen’s Numismatic Writings (Shin’ichi Sakuraki)
A Short History of Currency in Premodern Japan: From the Introduction of Metal Currency to the Development of the Modern Japanese Yen (Hisashi Takagi)
The Gettan Numismatic Circle and the Bramsen Collection (Nobuhisa Furuta)
An Introduction to the Coins in the Bramsen Collection (Shin’ichi Sakuraki)
Catalogue of the Coins Collected by Bramsen and Krebs (Shin’ichi Sakuraki)
Section 1 Early coinage in Japan
Section 2 Coins of the Ryūkyū Kingdom
Section 3 Mochūsen 模鋳銭 (Copies of Chinese coins)
Section 4 Early modern period
Section 5 Kajiki-sen 加治木銭
Section 6 Kan’ei-tsūhō 寛永通寳—old series (pre 1668)
Section 7 Kan’ei-tsūhō 寛永通寳—new series
Section 8 Kan’ei-tsūhō 寛永通寳—4-mon coins
Section 9 Coins thought to have been minted in Nagasaki
Section 10 Hōei-tsūhō 寳永通寳—10-mon coins
Section 11 Tenpō-tsūhō 天保通寳—100-mon coins
Section 12 Bunkyū-eihō 文久永寳—4-mon coins
Section 13 Local currencies
Section 14 Essay coins
Section 15 Gold koban 小判
Section 16 Gold bu 分 and shu 朱
Section 17 Gold ōban 大判
Section 18 Gold five-ryō-ban 五両判
Section 19 Gold bu 分 and shu 朱 of Kōshū 甲州
Section 20 Assorted gold pieces
Section 21 Silver chōgin 丁銀
Section 22 Silver mameitagin 豆板銀
Section 23 Silver kirigin 切銀
Section 24 Silver monme-gin 匁銀 and nanryō-gin 南鐐銀
Section 25 Silver bu 分 and shu 朱
Section 26 Local silver coinage
Section 27 Silver plates
Section 28 Modern type coins
Section 29 Foreign (China, Korea, Vietnam)
Plates
このたび、日本学士院による研究補助を受けて、JAPANESE ANCIENT COINAGE Ⅰ(『日本古貨幣カタログ』第1巻)デンマーク国立博物館所蔵ウィリアム・ブラムセンコレクションを刊行する運びとなった。われわれが2018年2月に現地の博物館を訪問して日本古貨幣の調査を開始してから、コロナ禍もあって5年以上経過したが、ようやく完成にこぎつけた。本書はA4判ハードカバー(262頁)で、同博物館所蔵の日本貨幣に分類される1278枚(中国・韓国・ベトナム貨幣44枚を含む)すべての原寸大カラー図版を132頁にわたって収録する。本文は英語で書かれているが、貨幣一覧表では日本人読者の利用に供するため、古銭学的細分類などをすべて日本語で記載した。
本書の内容を簡単に紹介すると、まずデンマーク国立博物館に所蔵されている日本の古銭と古銭書に関する調査の経緯、同博物館担当者による貨幣資料の所蔵にかかわる歴史などの解説がなされている。さらに、明治初期に本資料を収集した二人のデンマーク人ブラムセンとクレブスについての人物紹介、そしてブラムセンが残した遺書についても紹介されている。また、ブラムセンは古銭だけではなく、古銭関連の書籍類もかなり残しており、その具体的な書誌情報が示されている。ブラムセン自身が書き残した古代銭貨から文久永寳までの日本貨幣史である「The Coins of Japan」(1880年出版)と、日本の鉄銭に関する考察である「Notes on Japanese Iron Coins」(1882年出版)については原文を載せ、櫻木がこのふたつの論考に対してコメントをした。さらに、日本史に不案内な読者を意識して前近代の日本貨幣略史を掲載するとともに、ブラムセンが明治10年(1877)前後に活動の舞台としていた月旦古泉会の『月旦衆評泉譜』に載っている貨幣についても考察している。最後に、ここに収録される貨幣資料は日本貨幣をほぼ網羅しているため、個々の貨幣ごとの解説を加えた。
この古銭資料については、一部の専門家の間ではその存在が知られていたが、数点が2017年に国立公文書館で開催された特別展で紹介された以外は、詳細が明らかにされていなかった。したがって、このカタログの刊行により、デンマーク人のウィリアム・ブラムセン(1851-1881)とオットー・クレブス(1838-1913)が明治初期に収集したコレクションの全貌が明らかとなった。クレブスコレクションは本来120枚であったが確認できるものは118枚であり、ブラムセンコレクションは1000枚を超える質・量ともに優れたものであることが分かった。
以下に、このコレクションの古銭学的観点から見た特徴を概観しておく。
日本古代銭貨である皇朝銭から近世初期の銭貨、寛永通寳、古金銀、明治期に入っての近代貨幣類と、バランスのとれたコレクションを目指していたものと考えられる。
皇朝銭では和同開珎の古和同笹手銀銭や大字銅銭、近世初期の銭貨では永楽通寳背桐紋金銭、元和通寳銀番銭の彫母2点、加治木銭の中字背加、小字背木、寛永通寳では背元類の彫母や明和期四文銭の大頭通、離用通、文久永寳で直永の錫母といった珍しい種類の母銭も多く含まれる。なかには珍奇な母銭を装った模造品も含まれるが、参考資料的にはまたとないようなまとまったコレクションである。その他、幕末期の試鋳貨と目される慶應通寳などの諸銭類も多く収蔵されており、徳島藩の阿州通寳や土佐藩の多くの試鋳貨など、あまり目に触れることの少ない品々が含まれている。
また、コレクション中には多くの玩賞品とされる金銀貨が含まれている。当時、『金銀図録』に掲載されているような地方の金銀貨などは、収集界でも真贋の価値判断の途上であったと思われる時期で、結果として多くの玩賞品を収集することになったとも言える。明治初期頃までの模造品の状況を把握する上でも、貴重な資料といえよう。
明治10年に、金工家の加納夏雄(1828-1898)が奈良西大寺出土の開基勝寳を基に原型を彫刻、名越弥五郎(-1629)が鋳造したとされる模造品の開基勝寳金銭も1枚収蔵されている。日本国内に数枚存在すると思われるこの金銭だが、本書で確認できる意味は大きい。
(櫻木晋一)
原田忠直 著
A4判/上製カバー装 240頁 ISBN978‒4‒86333‒199‒0 C3030
本体価格 3,000円(税込3,300円) 2022年3月25日発行
「生意人」が生み出す「利潤の社会化」と経済活動における「自由の実現」という未知なる価値を導き出す。
「包」から読み解く中国社会経済論。
執筆者紹介
原田忠直(はらた ただなお)
1963年生まれ。日本福祉大学経済学部教授。中国経済。
主な論文に「中国における農地の「集団所有」と「包」についての一考察」「中国における市場の「自由」と「包」についての一考察」「「包」の「特殊性」から読み解く「中国経済のシェーマ」─柏祐賢と加藤弘之が探し求めた中国研究の核心」など。
はじめに
1 本書の課題と意義
2 個人的な動機
1 「習性化」と「自生的秩序」の概念
2 「擬態」の概念と「生意人」
3 内山完造の「包」論
4 費孝通の「差序格局」
1 「生意人」と「包の倫理的規律」
2 「生意人」と「包の経済組織」
3 「包の経済組織」の再定義と「利潤の社会化」
4 「包の経済組織」の擬態化と経済的要因
1 「先富論」と「生意人」
2 地縁血縁者と「生意人」
3 景気動向と「包の経済組織」および萌芽的な「生意人」の存在意義
1 柏が捉えた「包」的な農業経営
2 上海市近郊農村における専業農家の変遷過程
3 上海市近郊農村における合作農業の変遷過程
4 「承包権の割替え」と「三権分置」の成立
1 経済学者が捉えた中国の自由
2 「曖昧な制度」と自由
3 「生意人」の自由
注/引用文献
あとがき
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編 発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 180頁 ISBN 978‒4‒86333-193-8 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2023年3月20日発行
愛知大学現代中国学部学生により行われた現地研究調査報告、第24弾。
観光開発・政策/コロナと観光/旅行ニーズ/スタディツーリズムの4チームにわかれ、オンライン調査を実施。
北京外国語大学の学生との融合学習の一環として、中国語によるオンライン講座も開かれた。
「日中学生国際シンポジウム」での調査報告も中国語原文にて収録。
農村地域の観光政策──「農家楽」から見る農村部における観光形態の発展
中国歴史文化地域の観光開発
日中の新型コロナ禍における防疫政策の比較
新型コロナ禍で中日政府が企業に行った政策・支援の違い
中国におけるオンライン旅行ニーズと対日認識
訪日中国人の消費行動からみる旅行ニーズ
復興ツーリズムに対する被災地住民の感情と認識に関する研究
「スタディツーリズム」を取り巻く非政府による運営
仁欽 著
A5判/並製 246頁 ISBN 978-4-86333-194-5 C3030
本体価格 3,000円(税込3,300円) 2023年3月25日発行
搾取から民主へ。大きな社会構造の変化を受容し、文化大革命、社会主義的改造、撥乱反正を経た内モンゴル牧畜地域社会の姿を解明する。
参考文献
初出一覧
土屋有里子
四六判/上製カバー装 244頁 ISBN978–4–86333–190–7 C0093
本体価格 2,600円(税込2,860円) 2022年10月15日発行
全貌の探究と深奥へのいざない
鎌倉時代、尾張国長母寺の無住によって編纂された『沙石集』。
複数の伝本が成立したこの仏教説話集は、多くの人々に読みつがれた。
その教えは今を生きる我々にも気づきを与えてくれる。
無住最晩年の著作『雑談集』よりその人となりにふれ、『沙石集』への理解を深める。
土屋有里子(つちや ゆりこ)
東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻単位取得退学。博士(文学)。学習院女子大学国際文化交流学部日本文化学科准教授。著書に『内閣文庫蔵『沙石集』翻刻と研究』(笠間書院、2003年)、『『沙石集』諸本の成立と展開』(笠間書院、2011年)などがある。
あとがき
無住関連地図
無住関係略年表
主要参考文献
國分英俊・國分愛子 著/写真
A5判/並製カバー装 363頁(オールカラー) ISBN978-4-86333-181-5 C0072
本体価格 2,500円(税込2,750円) 2022年4月25日発行
島の四季折々の移ろいを夫婦二人三脚で撮り綴った“対馬の植物”写真集。
対馬固有種を含む708種を掲載。
「あとがき」より
この写真集で多くの人が自然に親しむ機会が増えることを期待しています。
とくに未来の対馬の自然を託す子どもたちに自然に親しみ、楽しむ気持ちをもってほしいと願っています。
川口高風 編著
B5判/並製カバー装 310頁 ISBN978‒4‒86333‒187‒7 C3015
本体価格 4,000円(税込4,400円) 2022年4月8日発行
刷物からみる、江戸・明治・大正・昭和期の名古屋の仏教。
蒐集した木版刷および活版刷のなかから、当地の寺院の由緒書、縁起(記)、観募帳、講帳、番付風見立て資料などを翻刻・解説する。
本書は、同時刊行の『名古屋の仏教【資料編】──「能仁新報」よりみる──』の姉妹編である。
川口高風(かわぐち こうふう)
1948年名古屋市生まれ。
愛知学院大学名誉教授、博士(仏教学、駒澤大学)、法持寺住職。
主な著書に『法服格正の研究』(第一書房)、『尾張高野八事文庫書籍目録』(第一書房)、『愛知県曹洞宗寺院集覧』(愛知県郷土資料刊行会)、『諦忍律師研究』(学位論文・法藏館)、『明治前期曹洞宗の研究』(法藏館)、『熱田白鳥山法持寺史』(法持寺)、『志は老いず』(大法輪閣)、『修訂 曹洞宗の袈裟の知識』(曹洞宗宗務庁)、『大本山永平寺名古屋別院奉安殿護國院史』(奉安殿護國院)など。
川口高風 編著
B5判/並製カバー装 522頁 ISBN978‒4‒86333‒188‒4 C3015
本体価格 5,000円(税込5,500円) 2022年4月8日発行
新聞が伝えた、明治中期の名古屋の仏教。
明治23~33年名古屋で発行された仏教新聞「能仁新報」から、記事を選び出し翻刻・解説。覚王山日泰寺仏骨奉迎をはじめ、当時の仏教界の動向を明らかにする。
本書は、同時刊行の『名古屋の仏教【資料編】──木版資料よりみる──』の姉妹編である。
川口高風(かわぐち こうふう)
1948年名古屋市生まれ。
愛知学院大学名誉教授、博士(仏教学、駒澤大学)、法持寺住職。
主な著書に『法服格正の研究』(第一書房)、『尾張高野八事文庫書籍目録』(第一書房)、『愛知県曹洞宗寺院集覧』(愛知県郷土資料刊行会)、『諦忍律師研究』(学位論文・法藏館)、『明治前期曹洞宗の研究』(法藏館)、『熱田白鳥山法持寺史』(法持寺)、『志は老いず』(大法輪閣)、『修訂 曹洞宗の袈裟の知識』(曹洞宗宗務庁)、『大本山永平寺名古屋別院奉安殿護國院史』(奉安殿護國院)など。
黃英哲・張羽・謝政諭・葉肅科 編
A5判/並製カバー装 352頁 ISBN978-4-86333-185-3 C3030
本体価格 5,000円(税込5,500円) 2022年3月31日発行
アジア太平洋地域・両岸関係と廈門・金門の役割をテーマとした、愛知大学・廈門大学・東呉大学・金門大学4大学シンポジウムの論集。
刊行寄语 爱知大学国际问题研究所 所长 佐藤元彦(林涛译)
爱知大学厦门大学东吴大学金门大学 四校厦金区域综合研究论文集序
厦门大学台湾研究院两岸关系和平发展协同创新中心 主任 刘国深
廈門金門兩岸問題四大學共同研究論文集序 東吳大學人文社會學院 院長 黃秀端
一九五四年至一九五八年间中共对台策略的调整──兼论台海问题中的“民族大义” 陈忠纯
「八二三砲戰」下金門地區平民的疏遷──以新聞報導為中心的考察 村上享二(陳奕汎譯)
赴陸台灣民眾對「惠台31條」政策的感受與影響評估 左宜恩
从中国大陆游客的金门行论“旅游本真性” 林涛
走味的蘋果──台灣《蘋果日報》影劇版的政治研究 謝靜國
推进两岸共同市场的突破口──厦金试验区 邓利娟
海峡两岸在厦金海域的非传统安全合作研究 张文生、李美霖
新形势下推进厦门与金门深度合作研究 王勇
兩岸跨域合作模式之建構與阻礙 劉佩怡
兩岸關係僵化下的金廈合作發展與影響 陳慧菁
浅论近代日本知识青年对“厦门” 的印象──以东亚同文书院生大正期《大旅行志》的记录为例 塩山正純
陳嘉庚與楊忠禮──他們的時代及其志業 謝政諭
金門大學的誕生與金僑興學的關聯性──社會資本/融合分析 葉肅科
高老龄社会中老年人与子女的选择──以台湾金门岛珠山村为案例 松冈正子
分析21世紀國際政治經濟變動下的歐盟整合發展 倪周華
中東歐的華人移民與帶路節點──以捷克為例 鄭得興
編輯後記 黃英哲
三好 章 編
A5判/並製カバー装 264頁 ISBN978‒4‒86333‒182‒2 C3022
本体価格3,000円(税込3,300円) 2022年3月31日発行
東亜同文書院生の大調査旅行。日本に渡らなかった、調査末期(1938–43年)を含む報告記録が中国国家図書館編『東亜同文書院中国調査手稿叢刊』として復刻された。新たな資料から、激動する大陸に身をおいた彼らの「日中戦争」にアプローチする。
第1章 日中戦争期の「卒業大旅行」 三好 章
第2章 1930年代の東亜同文書院における 記述の再生産と大調査旅行 野口 武
第3章 『調査報告書』など東亜同文関係資料の所蔵状況 石田卓生
補 論 『中国省別全誌四川巻』の中国語訳 李 彬
第4章 1920、30年代における書院生の フルンボイル調査について 暁 敏
第5章 書院生が歩いた蒙疆 1937~1942 長谷川 怜
第6章 日本による蒙疆のカトリック工作
──伊東重美「大旅行報告書 蒙疆に於けるカトリツク宣教師の活動状況」(1939)を
手掛かりに 長谷川 怜
第7章 蒙疆地域における教育の展開と目指された成果 ──大旅行調査報告書の分析から 長谷川 怜
第8章 東亜同文書院生が見た山西省新民会 ──大旅行調査の教育的意義 広中一成
補 論 日本軍占領下山西省における大旅行調査
──東亜同文書院第36期生の旅行日誌を手がかりに 広中一成
第9章 崑山 ──1941年夏 清郷工作開始前後 三好 章
第10章 蘇州・常熟の清郷(1943) ──亀井壯介報告から 三好 章
編者あとがき
東亜同文書院大学卒業大旅行報告書タイトル一覧:日中戦争全面化以後
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編
発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 142頁 ISBN 978‒4‒86333-184-6 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2022年3月10日発行
愛知大学現代中国学部学生により行われた現地研究調査報告、第23弾。
外国語教育・民間教育の2チームにわかれ、オンライン調査を実施。
北京外国語大学の学生との融合学習の一環として、中国語・日本語によるオンライン講座も開かれた。
「日中学生国際シンポジウム」での調査報告も中国語原文にて収録。
公立学校を中心とした中国での英語学習状況と課題
オンライン塾の外国語教育
中国における日本語教育──注目される日本アニメ
公学歴社会の国,中国における塾とは
オンライン教育産業におけるサービス提供の背景──日中比較考察
民間教育における都市と農村の違い
藤田佳久 著
B5判/並製カバー装 298頁(巻頭カラー・巻末カラー)
ISBN978-4-86333-178-5 C3025
本体価格2,200円(税込2,420円) 2022年2月22日発行
全10章に渡り、近世を通じ形成された伝統的な治水システムである不連続堤、そのうちでもとりわけ「霞堤」を中心に、治水論や治水技術も含め、全国的に展望し、検討し、その特性と位置付けを行い、その上で、今日その多くがデ・レーケ型へ転換したあともなお生き続け、希少価値となっている豊川下流域における「霞堤」の歴史的成立過程とその存立基盤を多面的に検討する。
藤田佳久(ふじた よしひさ)
1940年愛知県生まれ。
愛知大学名誉教授、理学博士、地理学
元愛知大学東亜同文書院大学記念センター長
日本沙漠緑化実践協会会長(内モンゴルに400万本植林中)ほか、地域の各種委員会長など。
日本地理学会、歴史地理学会、経済地理学会の各名誉会員。
日本地理学会および歴史地理学会より学会賞受賞、国土交通省河川功労賞(2017年)、東亜同文書院記念賞(2回)。
はじめに
第1章 「霞堤」をめぐって
第2章 近世における治水論と治水技術の展開
第3章 豊川下流域における霞堤の成立条件とその展開
第4章 近世の豊川下流域における霞堤配置の復元
第5章 元禄期「本野ヶ原入会争論裁許図」の景観から読める村落の入会関係と豊川「下郷」の村落
第6章 近世における豊川流域および奥三河山間地域における林野利用の展開とその荒廃化
第7章 豊川下流域における水害と治水運動
第8章 豊川放水路建設用地問題をめぐって──とくに用地交渉の会議録をベースにして
第9章 豊川下流域の不連続堤地帯における集落立地と住民の水害環境意識
第10章 450年の歴史を刻んだ松原用水(東三河) の歴史地理学的研究
──世界かんがい施設遺産への登録を記念して
おわりに
索引
立川武蔵 著
A5判/並製 89頁
ISBN978-4-86333-180-8 C0092
本体価格1,000円(税込1,100円) 2022年2月6日発行
「はじめに」より
やがてわたしはその「恐ろしきもの」は時(時間)と関係していると思うようになった。時がなければわれわれの命もない。死とは時に「焼かれてしまう」ことを意味する。時は命を燃やす火であるが、一方では命を焼く火でもあるのだ。時の太鼓を聞きながら、八十年が過ぎた。
立川武蔵(たちかわ むさし)
1942年名古屋に生まれる。
名古屋大学教授、国立民族学博物館教授、愛知学院大学教授を経て、現在、国立民族学博物館名誉教授。
エズラ・F・ヴォーゲル・李 春利 著
A5判/上製カバー装 212頁 ISBN978-4-86333-177-8 C0036
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2021年8月30日発行
ハーバード大学名誉教授エズラ・ヴォーゲルは、日本では1979年に発行されたベストセラー『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者として有名。中国や日本など東アジア関係の研究に従事した社会学者である。彼が愛知大学で行った生前最後の講演を収録。講演録をより理解するための解説と豊富な資料を満載。「永遠の隣人」どうしである日中関係をよりよいものとするための示唆に富む内容。
エズラ・F・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel、傅高義)
ハーバード大学ヘンリー・フォードII 世社会科学名誉教授。
1930年米国オハイオ州生まれ。1958年にハーバード大学にて社会学博士号を取得。ハーバード大学社会学部教授や東アジア研究センター所長を経て、日米関係プログラム所長、フェアバンク中国研究センター所長、アジアセンター初代所長などを歴任。1979年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を出版、日本で70万部を超えるベストセラーに。2011年に『現代中国の父 鄧小平』を出版、中国で100万部を超えるベストセラーに。2020年12月20日、90歳で逝去。
李 春利(りしゅんり、LI Chunli)
愛知大学経済学部教授・大学院中国研究科教授、愛知大学国際中国学研究センター(ICCS)所長。中国遼寧省生まれ。中国社会科学院大学院、京都大学を経て、1996年に東京大学にて経済学博士号を取得。ハーバード大学上級研究員(Fellow)、MIT兼任研究員、浙江大学講座教授などを歴任。専門分野は中国経済論、国際産業論及び環境・交通経済論。
朱彝尊 中村喬 譯注
発行:中國藝文硏究會 発売:あるむ
A5判/上製カバー装 363頁 ISBN978-4-86333-175-4 C0039
本体価格4,500円(税込4,950円) 2021年7月20日発行
辻󠄀 千春 著
B5判/並製 108頁 音声ダウンロード(mp3)付 ISBN978-4-86333-168-6 C1087
本体価格 2,500円(税込2,750円) 2021年3月30日刊
中国語入門初級テキスト。音声ダウンロード(mp3)付。
大学生の好一くんが初来日した李明さんの日本滞在をサポートする、様々なおもてなしの場面での中国語を学ぶことで、実際に“使える”中国語の習得を目指します。
発音編、会話・文法編(1~12課)、長文読解編(13~15課)の3部構成。
伝統的な習慣や昨今の事情など、中国に関するコラムも掲載しています。
辻󠄀 千春(つじ ちはる)
愛知文教大学人文学部 教授
学術博士(1998年、名古屋大学)
永井崇弘・塩山正純 編
A5判/並製カバー装 384頁 ISBN978–4–86333–171–6 C3016
本体価格 7,000円(税込7,700円) 2021年3月25日発行
1807年、アルメニア人のキリスト者ラサール(Johannes Lassar)の手になる漢訳「マタイの福音書」は、インドのフォート・ウィリアム大学副学長のブキャナンより英国カンタベリー大主教へ謹呈された。
2世紀を経て今日、英国ランベス・パレス図書館に蔵されるその漢訳「マタイの福音書」を翻刻、影印。
音訳語を比較検討し、ラサールが漢訳した道程を探る。
漢訳聖書研究における貴重な史料を提供。
序
はじめに
1.プロテスタントによる最早期のインド伝道
2.プロテスタントによる漢訳聖書の最初の翻訳者ラサールと聖書漢訳の経緯
3.ラサール訳『嘉音遵菩薩之語』について
4.ラサール訳の底本の可能性がある聖書
5.ラサール訳『嘉音遵菩薩之語』の底本
6.『嘉音遵菩薩之語』における音訳語
おわりに
音訳語対照表凡例
『嘉音遵菩薩之語』音訳語対照表
翻字凡例
『嘉音遵菩薩之語』翻刻
『嘉音遵菩薩之語』影印
影印凡例
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編 発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 150頁 ISBN978‒4‒86333‒174‒7 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2021年3月10日発行
愛知大学現代中国学部学生により行われた現地研究調査報告、北京編。
第22弾は、人的資源管理・女性の働き方・農村観光・SNSの4チームにわかれ、初のオンライン調査を実施。
北京外国語大学の学生との融合学習の一環として、日本語によるオンライン講座も開かれた。
「日中学生国際シンポジウム」での調査報告も中国語原文にて収録。
日中の雇用形態比較と離職対策
企業の人材確保戦略──昇進・昇給の明確性
日本の女性就業の現状
中国の女性就業の現状
働く女性の就業意識と男女間での差別
持続可能な農村観光──長野県飯山モデルと上海モデル
過疎化と経済面から見る中国農村の持続可能性
中国の消費者の口コミ重視傾向
中国におけるSNS の普及率と地域格差
ヘルマン・バウジンガー 著 河野 眞 訳
A5判/上製カバー装 約612頁 ISBN978–4–86333–166–2 C3039
本体価格 13,000円(税込14,300円) 2021年3月3日
ドイツ生まれのゲルマニスト・民俗学者である著者による、口承文藝論。
決まり文句と言葉遊び、劇行事・音楽行事の諸形式など、ドイツ語圏において過去数世紀にわたって繰り広げられた口承の伝統について論じる。
ヘルマン・バウジンガー
1926年生まれ ドイツの民俗学者。ゲルマニスト
訳者
河野 眞(こうの しん)
1946年兵庫県伊丹市生まれ。京都大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院修士課程修了。
愛知大学国際コミュニケーション学部元教授。博士(文学/京都大学)。
竹内通夫 著
四六判/上製カバー装 200頁 ISBN978-4-86333-170-9 C0075
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2021年2月20発行
東海地区初の大学女子野球チーム創設者であり「現代の女学生たち」の野球を見てきた著者。希少な資料・証言を整理することで見えてきたのは、時代に翻弄されながらも白球を追う「戦前の女學生たち」の姿であった。 第二章では戦前の野球青年正岡子規を柱に、訳語「野球」誕生の背景にも迫る。
竹内通夫(たけうちみちお)
1939年愛知県名古屋市生まれ。金城学院大学名誉教授。教育学博士。
東海地区初の大学女子野球チーム「金城リリーズ」を結成。十五年間にわたり、部長、監督、コーチを兼任。
まえがき
一 はじめに
二 明治期における女子野球
三 大正期における女子野球(Ⅰ)
四 大正期における女子野球(Ⅱ)
五 付論 戦後の女子野球──第二次世界大戦後から現代まで
一 はじめに──「子規の野球殿堂入り」
二 文明開化における「ベースボール」
三 「ベースボール」の訳語「野球」について──外来文化の「日本化」
四 「バット一本球一個を生命の如くに思い居り」(子規)
五 「ベースボール」の日本化
六 おわりに
付論1 回想の長谷川良平投手(元広島カープ)
付論2 「日本の女子野球」Japanese Women’s Baseball(英文)
「あとがき」にかえて
萩原正樹 編
A5判/上製カバー装 288頁 ISBN978–4–86333–169–3 C3090
本体価格 8,000円(税込8,800円) 2020年11月30日発行
日中韓の知識人は、東アジア漢字文化圏における共通言語ともいえる中国古典語を自在に用いることによって、それぞれの口頭言語を知らなくてもコミュニケーションを取ることができた。その中国古典語による言語藝術である詩や詞も早くに日韓両国に伝わり、社交の道具としても用いられ、特に明治維新以降は文人交流において互いに理解を進める役割を持っていた。詩詞を通した交流は相互理解にどのような影響を与えたのか。本書には、明治期における日台文人交流や、内藤湖南、森槐南、長尾雨山、久保天隨ら明治・大正期を代表する優れた漢学者・漢詩人の文学と交流、また金允植と日本人との詩文唱和についてなど、さまざまな問題が従来には無い視点から描き出されている。
編者
萩原正樹(立命館大学文学部教授)
明治時期臺灣「玉山吟社」臺、日文人漢詩交游及相關詩評探析:
以『臺灣新報』、『臺灣日日新報』爲核心
周志煌(国立政治大学中文系教授)
小泉盜泉と詞 萩原正樹(立命館大学文学部教授)
路歧的回望:内藤湖南漢詩中的淸人與遊淸 汪超(武漢大学文学院副教授)
晚淸民國報刊中的森槐南與文人交流研究 詹千慧(国立彰化師範大学国文系専案助理教授)
金允植(號:雲養)と日本人官僚・文人學者の詩文唱和について
―『雲養集』所收『東槎謾吟』と『芝城山館納涼唱和集・輕妙唱和集』を中心に
魯耀翰(高麗大学校漢字漢文研究所研究教授)
長尾雨山與近代中國文人之詩歌交流―以鄭孝胥、上海結社爲中心 賴信宏(東呉大学中文系助理教授)
鷹取岳陽年譜補訂稿 萩原正樹(立命館大学文学部教授)
論大正詩人久保天隨與淸詩的受容關係 佘筠珺(国立台湾大学中文系助理教授)
後記
安藤 榮 著
A5判/並製 328頁(カラー口絵) ISBN978–4–86333–165–5 C3021
本体価格 2,500円(税込2,750円) 2020年10月26日発行
名古屋在住の古紙幣の収集家安藤榮さんが50年以上かけて集めた尾張藩領(愛知県西部を中心とした地域)で発行された藩札・米切手を整理し研究した集大成。それ以外にも江戸時代には各種の商品切手などもあり、多様な経済活動が垣間見える。図版も充実、巻頭カラーは16ページと豊富。
安藤 榮(あんどう さかえ)
1946年愛知県犬山市生まれ。名古屋古札研究会会員。
口絵/郡司氏の手紙/実物本位の歴史研究/古札の研究について/まえがき/凡例/尾張の地図
札の始まり/藩札の始まり/尾張藩 寛文札の発行
米切手発行までの歩み/米切手黄色札の発行/単龍札の発行/双龍札の発行
文化三年・五年札/米切手の漉所/文政十二年札/正金不足と米切手/廃札の焼却
御払銭の発行/名古屋城の金鯱
六分回収・四分増印/米切手通用やむ
尾張藩の贋二分判金の回収と札の発行/名古屋の商方会所札/明治三年発行、五両札と一両札
犬山藩札の通用/犬山普請切手/美濃路九駅通用札
泊切手/尾張藩の継駕籠壱挺/車一輌切手/名古屋の商品切手/名産品の保証書
名古屋の通り切手/尾張藩の農兵と腰札
参考文献/著者所蔵資料/年表/あとがき
橋本龍幸 著
A5判/上製カバー装 206頁 ISBN978–4–86333–163–1 C0022
本体価格 3,000円(税込3,300円) 2020年5月30日発行
ヨーロッパの古代から中世への転換期に関わる史跡を訪ね、その場の空気に浸り、そこで見た光景を感じたままに綴った旅の記述。歴史の現場に立って生まれる知見とともに、地理的感覚をもって文献を読み歴史を考えることで見えてくる風景が、歴史学者の眼を通して語られる。カラー写真多数。
橋本龍幸(はしもと たつゆき)
1941年愛知県生まれ。愛知学院大学名誉教授。文学博士。
著書に『中世成立期の地中海世界』(南窓社、1997)、『聖ラデグンディスとポスト・ローマ世界』(南窓社、2008)、『ヨーロッパ史跡探訪──歴史への誘い』(南窓社、2011)など。
はしがき
1 地中海西岸のタラゴナ
2 ローヌ川流域のヴィエンヌ
3 モーゼル川流域のトリーア
1 ブレンナー峠とインスブルック
2 アルプス山間の集落シュクオル
1 サン・トノラ島のレラン (ス) 修道院
2 リグジェの聖マルティヌス修道院
3 聖ベネディクトゥスの修道院
スビアコとモンテ・カッシーノ
4 コルンバのアイオナ修道院
5 コルンバヌスの修道院
アヌグレイとリュクスイユ
6 エイダンのリンディスファーン修道院とウィットビーおよびダラム
7 エヒタナッハの聖ウィリブロード教会
8 フリッツラーの聖ボニファティウス教会とビュラブルク
1 オビエド、レオン、ブルゴス
2 サンティアゴ・デ・コンポステラ
3 ジブラルタル海峡
おわりに
藤田佳久 編
A5判/上製 264頁 ISBN978-4-86333-162-4 C3023
本体価格 3,000円(税込3,300円) 2020年3月30日発行
1900年初頭、上海に開校した東亜同文書院は、ビジネススクールとして幾多の精鋭を輩出した。当時の欧米にもない、外地での学修を通じて徹底的に中国語と英語を習得し、中国内で踏査旅行を実施、それらは膨大な記録を残している。大学昇格も含めて45年という半世紀近い歴史をもち、各界へ卒業生を送り続けた。彼らが東亜同文書院で培った精神は、日本の高度経済成長を陰で支えた。今まであまり触れられなかった進路について、本書にそれを裏付ける詳細データを掲載。
愛知大学国際問題研究所 編
A5判/並製カバー装 312頁 ISBN978–4–86333–161–7 C3030
本体価格 3,000円(税込3,300円) 2020年3月25日発行
愛知大学国際問題研究所設立70周年を記念する、国際シンポジウム「グローバルな視野とローカルの思考」、および『LT・MT貿易関係資料』(影印復刻版)出版記念講演会をもとに編まれた、文学、哲学、経済学、経営学、文化人類学、歴史学、語学等々の論者による、学際的広がりに向けた論文集。
刊行に際して 佐藤元彦
華夷の変──華語語系研究の新しいビジョン 王 徳威
[関連論説]
說「文」解「字」──張貴興小說與「華夷之變」的文化想像再現策略 梅 家玲
[思想・文学]
「土の近代」と「水の近代」──中国近代化の歩みから考える 石井 剛
文学の分有──東アジアにおける近代文学の起源 橋本 悟
清末文学“庚子西狩”书写的除魅效应 林 晨
[経済・経営]
国際開発論の新たな段階──「グローバル」と「ローカル」のはざまで 佐藤元彦
マーケティングへの招待──消費者は、マーケティングの何を評価しているのか? 太田幸治
化するマーケティングと文化衝突 土屋仁志
[文化・社会]
民族文化をめぐるジレンマ──中国客家地域における市場経済化と生活実践 河合洋尚
バンコク民家の神仏像祭祀──タイ都市民の家庭祭祀にみるグローバルとローカル 加納 寛
四川アルス・チベット族におけるJoと移住伝承 松岡正子
東亜同文書院生の思い出に記された厦門──大正期以前の『大旅行誌』の記録を中心に 塩山正純
同步观察与共时交响──东亚同文书院时期大内隆雄对中国戏剧的译介活动考论 裴 亮
LT貿易の起源──1950年代の日中民間貿易協定再考 井上正也
[歴代所長による回想録]
「令和」の国際問題 第10代所長 嶋倉民生
国研所長10年の思い出 第12代所長 三好正弘
国際問題研究所との関わりを振りかえって 第14代所長 川井伸一
所長時代の思い出 第15代・第17代所長 馬場 毅
愛知大学国際問題研究所 沿革
愛知大学国際問題研究所 歴代所長
シンポジウム・講演会開催案内
新聞掲載記事
後記 黄 英哲
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編 発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 総頁158頁 ISBN978-4-86333-159-4 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2020年3月10日発行
愛知大学現代中国学部学生により行われた現地研究調査報告、台湾編。
第21弾は、台北市をはじめ、新北市、桃園市、新竹市を訪問。企業・ツーリズムの二班に分かれ調査を実施。
「日台学生国際シンポジウム」での調査報告も中国語原文にて収録。
日台ローカライズの壁
広がる人材の現地化──台湾における課題と改善方法
台湾企業のプロモーション戦略
「負の遺産」とは何か
「正の資産」としての歴史遺構
台湾行政機関の考える問題と対策について
宗宮弘明・太田明徳 編
A5判/並製 104頁 978-4-86333-158-7 C1030
本体価格800円(税込880円) 2019年12月3日発行
2018年6月に開催された中部大学・高山市連携シンポジウム「持続可能な地域のあり方を考える──「高山学」をめざして」での対話をまとめた本書は、高山市におけるESD(Education for Sustainable Development:持続可能で豊かな社会をつくるための教育)のあり方を提示している。
グローバルな気候変動・経済問題などの視点と、並存するローカルな少子高齢化・地域の抱える問題を高山市に当てはめ、中部大学(教員)による基調講演、パネルディスカッション、および高山市(行政、市民)との活発な討論・質疑応答を収録。
太田明徳〈おおた あきのり〉
中部大学高山委員会、中部大学副学長、教授(微生物学)
宗宮弘明〈そうみや ひろあき〉
中部大学国際ESD センター長、学長顧問(魚類生物学・環境生物学)
発刊に寄せて 石原 修(中部大学学長/プラズマ物理科学)
まえがき 宗宮弘明
開会挨拶 石原 修・國島芳明(高山市長)
昆虫の変態から学ぶ持続可能な高山市づくり 山下興亜(中部大学名誉学事顧問、前学長/昆虫生理学)
森林政策をめぐる最近の動向 竹島喜芳(中部大学国際GIS センター准教授/森林計画)
再生資源の木材を生かした飛騨高山の林業の歴史と木工家具産業
林 上(中部大学人文学部教授/都市地理学)
地理システム(GIS)をもちいた防災の取り組み
福井弘道(中部大学中部高等学術研究所長、国際GIS センター長、教授/地球環境学)
耕作放棄田から考える 森山昭彦(中部大学応用生物学部教授/環境生物学)
閉会挨拶 宗宮弘明・西倉良介(高山市副市長)
編者あとがき 太田明徳・宗宮弘明
さとうますみ 著
A5判/並製カバー装 114頁 ISBN978-4-86333-146-4 C0092
本体価格 1,500円(税込1,650円) 2019年7月30日発行
さとうますみ第三詩集。
平易でどこかなつかしい言葉でつむがれる「失ってしまったかもしれない世界」の断片。記憶のように幻想のようにたちあがるふるさとのおもかげ。南国の海辺の町に生まれた作者の感性が、ふるさとを呼ぶ時、それは海面を光らせて豊かに匂いたつ。
ふるさとの海に紺碧の潮が出入りする洞窟があった/引き潮はしゅわしゅわと鳴り/満ち潮はたぷたぷと岩を打った/洞窟は大きな楽器のようによくひびいた/くりかえしくりかえすわたしの時間も/空洞の中で歌のように響いているだろう(「空洞になる」)
表題作は奈良時代の秘曲の楽譜から着想を得たもの。
この曲を盗みたかったのはわたしだったかもしれない/わたしは/言葉のすき間にしのびこむ美しい光でありたかったから/月を磨くように泣きたかったから(「楽盗人」)
形のない利益のない音楽を尊び欲する盗人に共鳴する。音楽はこの詩集全体に通底するテーマの一つである。同様に古典に取材した「大宜都比売(おおげつひめ)」「石長比売(いわながひめ)」「小町の鏡」からは、読む者の眼前に、ありありとした人格をもって女性たちの姿がたちあがってくる。
作者にとっての「失ってしまったかもしれない世界」を想う心は、喪失だけではなく、形なきものに憧れ、傷つき、思索してきた多くの人々の思いと共鳴するものなのである。
さとうますみ
1942年 愛媛県南宇和郡愛南町御荘平城生まれ
武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ専攻
日本現代詩人会、中日詩人会 会員
詩誌「青い花」会員
詩誌「ぱん・ふるーと」、詩誌「環」元会員
1994年 第一詩集『チョークの彼』不動工房(第6回 自費出版文化賞特別賞)
2001年 第二詩集『海月』書肆青樹社(第1回 詩と創造賞)
一本の笛
白樫の下で
四十雀
蛇
トビウオ
わたしの輪郭
水の里
鳥を待つ
楽盗人
海図──博物館にて
荷物を預けるように
薔薇の棘を踏む
空洞になる
遠い夏の声
ある媼の語れる
戦争が終わったある日
そのきさらぎのもちづきのころ
螺旋の時
光のかけら
オールド・ブラック・ジョー
年老いたピアノ
大宜都比売
石長比売
小町の鏡
あかるい儀式
遊びをせんとやうまれけん
小さなシグナル
水の立ち姿
書評・紹介など
『朝日新聞』2019年9月26日(評者:荻原裕幸氏)
『中日新聞』2019年11月2日夕刊(評者:北川透氏)
西川とし子 著
A5判/並製カバー装 328頁(カラー口絵8頁) ISBN978-4-86333-157-0 C2037
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2019年8月7日発行
0歳から就学前までの子育てについて、これまでの知見と著者の60年におよぶ指導から生み出された渾身の一書。未来をつくる子どもたちと、育てていくママとパパへ送るメッセージ。
戦後70年以上がたち、社会環境は大きくかわった。しかし、いつの時代でも親子の関係はかわらない。その密接な関係を築く就学前である0から7歳までにやっておかなければならないことがある。子どもたちのその後の長い人生にくらべればわずかな期間かもしれないが、それは人が人として成るための大切な時間。
毎日成長していく子どもたちへ、何をするべきか、そして何をしてはいけないのかを本書では著者の血の通った熱い言葉から発信していく。
人間化
幼児期
家庭(父・兄弟・祖父母)
遊び(=学び)
玩具
家庭内育児/環境(無意識性教育力)
母業(安らぎ~ふるさと・港)
知郁あそび(=就学準備)
阿部和俊・杉浦芳夫 編
A4判/フランス装 120頁 ISBN978-4-86333-156-3 C3025
本体価格 3,000円(税込3,300円) 2019年7月3日発行
60年以上研究生活を続け、今も活躍されている森川洋先生の傘寿を記念して、2015年に広島大学東京キャンパスで開かれた研究発表会にて発表された論文、およびその後に投稿された論文、計10本を森川先生に献呈した記念論文集
森川 洋 先生 略歴
1962年 広島大学大学院文学研究科博士課程単位習得期間満了退学
1964年 大分大学助手
1966年 同大学講師
1969年 同大学助教授、この年第1回日本都市学会賞(奥井記念賞)受賞
1972年 広島大学文学部助教授、「中心地研究:理論と実証」により広島大学より文学博士を取得
1982年 広島大学文学部教授
1998年 定年退職、名誉教授、福山大学経済学部教授
2005年 退職
2006年 『人文地理学の発展』(2004年)によって、人文地理学会賞(学術著作部門)を受賞
2014年 瑞宝中綬章受賞
はしがき 森川 洋
日本の地理学における森川 洋先生の足跡ならびに本記念論文集刊行の経緯 杉浦芳夫
経済的中枢管理機能からみた日本の主要都市と都市システム(2015年) 阿部和俊
日本の主要都市における2010 年代の支店集積量の動向―減少それとも回復― 日野正輝
北海道における都市の発達過程と都市機能の変化―滝川市を事例として― 寺谷亮司
上海・陸家嘴CBD の形成と課題 山崎 健
居住地選好からみた現代日本の都市と地域 若林芳樹
高齢化する郊外住宅団地における介護サービス事業の増加と利用の特徴 由井義通
ある町の都市計画マスタープランの策定経験から都市地理学と都市計画を考える 西原 純
イギリスにおけるタウンセンターファースト政策と中心地理論 根田克彦
市民の移動行動と公共交通政策への評価―茨城県ひたちなか市の事例― 𡈽谷敏治
ロシア人地理学者V. V. Pokshishevsky による中心地理論批評をめぐって 杉浦芳夫
執筆者紹介
編集後記 阿部和俊
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編 発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 総頁154頁 ISBN978-4-86333-155-6 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2019年3月10日発行
愛知大学現代中国学部学生により行われた現地研究調査報告、台湾編。
第20弾は、台北市とその近郊、および客家が居住する高雄市美濃区を訪問。観光・農村の二班に分かれ調査を実施。
「日台学生国際シンポジウム」での調査報告も中国語原文にて収録。
日本統治時代と台湾人の「友日観」
美濃客家の客家意識──客家語と伯公信仰
世界のなかの台湾ツーリズムの現在地
中華民国交通部観光局の政策過程と政治背景
ノスタルジック台湾?
編者:塩山正純
A5判/並製 188頁 ISBN978-4-86333-150-1
本体価格3,000円(税込3,300円) 2019年1月31日発行
20世紀前半における約50年間の台湾を、歴史学・文学・政治学など多角的なアプローチから見つめなおす。
また、近代知識青年を代表する東亜同文書院生の台湾に関する記録から、台湾像と彼らが抱いたアジア観を掘り起こした。
はじめに
明治末年徳島県における台湾移民の送出──北海道、朝鮮そして台湾 荒武達朗
日本統治末期、義愛公像の虚実
──志村秋翠『明治の呉鳳』と國分直一「義愛公と童乩と地方民」をめぐって 土屋 洋
中華民国の“戦後”構想──「台湾化」の序章としてのアプリオリ 加治宏基
「敗北者になりたい」──二人の台湾詩人の「1949」 黄英哲
『大旅行誌』にみる二つの植民地主義──悪しき西洋型と善き日本型 岩田晋典
書院生の台湾旅行の記録にみる「台北」像 塩山正純
『東亜同文書院大旅行誌』の食の記述にみる近代日本青年のアジア観──台湾の例 須川妙子
東亜同文書院生が見た台湾の神社──1910年代~1930年代 加納 寛
田中敬一 著
四六版/上製 196頁 ISBN978-4-86333-148-8 C1070
本体価格 2,500円(税込2,750円) 2018年12月20日発行
1920年代から30年代にかけてメキシコで展開された広範な芸術運動「メキシコ・ルネサンス」について、その中心的な役割を担った「壁画運動」と「野外美術学校」を取り上げ、どのような歴史的・社会背景から生まれ、発展していったかを明らかにする。
また、野外美術学校が輩出した多くの画家・彫刻家とともに運動に参加した3人の日本(系)人芸術家、北川民次、イサム・ノグチ、岡本太郎の作品と活動をとおして、20世紀世界を席捲した壮大な芸術運動の魅力に迫る。
田中敬一(たなか・けいいち)
1954年 大阪に生まれる。
1977年 大阪外国語大学イスパニア語学科卒業。
1983年 大阪外国語大学大学院修了(文学修士)。
大学院在学中に国費留学生としてメキシコ国立自治大学(UNAM)哲文学部で学ぶ。
1984年 愛知県立大学外国語学部スペイン学科助手。講師、助教授を経て、
2002年 愛知県立大学外国語学部スペイン学科教授(専門:イスパノアメリカ文学、メキシコ美術史)
第1章 1920年代メキシコに見る国民文化の創造
第2章 バスコンセロスの教育文化政策と先住民インディオ
第3章 1920年代メキシコ文化ナショナリズム
第4章 メキシコ・ルネサンスと野外美術学校
第5章 北川民次と野外美術学校
第6章 北川民次とメキシコ版画
第7章 イサム・ノグチとアベラルド・ロドリゲス市場の壁画彫刻
第8章 岡本太郎〈明日の神話〉
郭強生 著 西村正男 訳
四六判/フランス装 334頁 ISBN978-4-86333-147-1 C0097
本体価格2,300円(税込2,530円) 2018年11月30日発行
未完の日台合作映画に魅入られた少年たちの流転の軌跡
その年、李香蘭が台湾公演に来た。その年、日本は戦争に負けた。
その年、ブルース・リーがこの世を去った。その年、日本は経済大国になった。
その年、彼らはみな17歳だった。
1973年、台湾東部の吉祥鎮に日本から映画のロケ隊がやってきた。撮影のために吉祥戯院の付近がまるで日本統治時代のように姿をかえると、時空のねじれと記憶の逆流が住民の生活リズムに変化をもたらしはじめる。そんななか映画館の看板書きの息子・小羅が生徒役に抜擢されて、幼なじみであるフィルムの運搬屋・阿昌、アイス屋の養女・蘭子、3人の関係がゆらぎはじめる。
2007年、台北にアメリカからアジア映画研究者・健二がおとずれる。戦後台湾映画と日本映画の関係をテーマとする健二の台湾訪問には、もう一つの目的があった……
中国東北地方出身の父と原住民の母をもつ小羅、日系二世の研究者・健二、湾生(台湾生まれの日本人)の映画監督・松尾、そして霊魂となってさまよう台湾人日本兵・敏郎。
映画『多情多恨』に導かれるように、70年の時空を往来して少年たちのもつれた記憶が解き明かされる。
周縁の人生を幽明のあわいに描いた長篇小説。
郭強生(かく きょうせい)John Sheng Kuo
1964年生まれ。台湾大学外文系卒業、アメリカ・ニューヨーク大学で演劇学を専攻し博士号を取得。東華大学英米文学科教授を経て、現在、台北教育大学言語創作学科教授。小説作品に『夜行之子』『断代』など。本書『惑郷之人』と散文集『何不認真来悲傷』はともに金鼎賞受賞。
西村正男(にしむら まさお)
1969年生まれ。関西学院大学社会学部教授。近年は中国語圏の流行音楽を研究。
「訳者あとがき」より
登場人物の多くは故郷喪失者の性質を帯びている。小羅の父・老羅は故郷の中国東北地方を追われて台湾にやってきた外省人であり、台湾人日本軍兵士の霊も帰るところはない。松尾森の孫でアメリカ生まれの松尾健二も日米のアンデンティティに引き裂かれている。本書の題名『惑郷の人』にあるように、彼らはみな故郷に惑う人なのである。だが、そのようなテーマや題材が個別に描かれているだけではなく、それが台湾の近現代史や日台関係史という大きな背景と関連付けられながら描かれていることが、この小説の興味深いところである。
時代へのレクイエム──日本語版への序 郭強生
第一部 君が代少年
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第二部 多情多恨
第六章
第七章
第八章
第九章
第十章
第三部 君への思いを絶たん
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
訳者あとがき 西村正男
♦台湾文学セレクション
重層的な共同体の記憶のなかに多様なアイデンティティを受容する台湾から、世界にひらかれた現代文学作品を紹介するシリーズ。
編集委員:黄英哲・西村正男・星名宏修・松浦恆雄
有薗正一郎 著
A5判/フランス装 96頁 ISBN978-4863331495
本体価格1,200円(税込1,320円) 2018年10月31日発行
いまみることができる農耕景観は、江戸時代と同じものではない──
地域の特性に応じた背景をもって、近世に著わされた「農書」と称される営農指導書を読み解き、フィールドワークを重ねてそれらを明らかしていく。
本書では、農耕景観を構成する諸要素の中から、農家屋敷・水田・畑・商品作物・農具・肥料・里山の7つを軸に近世日本の農耕景観の一端を描き、その環境への順応の視点から評価した試論である。
有薗正一郎(ありぞの しょういちろう)
1948年 鹿児島市生まれ
1976年 立命館大学大学院文学研究科博士課程を単位取得退学
1989年 文学博士(立命館大学)
近世の農耕技術と近世〜近代庶民の日常食を尺度にして、地域の性格を明らかにする作業を40年余り続けてきた。
現在、愛知大学文学部教授(地理学を担当)
第1節 この章で記述すること
第2節 近世農書が記述する農家屋敷内の各施設と耕地配置の理想像
第3節 農家屋敷内の各施設配置の一端を記述する農書
第4節 まとめ
第1節 作業仮説の設定
第2節 水田でのイネ一毛作と冬期湛水を奨励する農書
第3節 水田二毛作について記述する農書
第4節 考察
第5節 おわりに
第1節 この章で記述すること
第2節 近世農書類が記述する水稲の耕作暦
第3節 考察
第4節 近世農書類に学ぶ自然と人間との関わり
第1節 『浄慈院日別雑記』について
第2節 浄慈院自作畑の耕作景観
第3節 おわりに
第1節 両極端に分かれる商品作物の栽培と収支
第2節 農家の意図で栽培作物を選んで収入の全てを農家が得ていた事例
第3節 支配者が農家に栽培を強制して収入を収奪した事例
第4節 近世の商品作物は特異な性格を持っていた
第1節 近世日本では手農具で農耕をおこなっていた
第2節 岐阜県東部で使われていた人力犂
第3節 木曽三川河口部で高畦作りに使った農具
第1節 人糞尿は近世日本の農耕技術の重要な要素のひとつだった
第2節 人糞尿の汲みとり先と下肥を施用した農作物
第3節 人糞尿から地域性を拾うのは難しい
第1節 里山の景観
第2節 奥三河における里山の景観モデル
第3節 村の資源循環からみた里山の位置付け
あとがき
さくいん
吉田道興 著
B5判/上製 608頁 ISBN978-4-86333-130-3
本体価格15,000円(税込16,500円) 2018年7月10日発行
著者の約40年間におよぶ各種学会における発表論文や、単行本に掲載された道元禅師の伝記と思想に関する論文55本を抜き出し、「伝記編」「思想編」に分けたうえに系統だてた「論文集」である。道元禅師の「伝記史料集」である前著『道元禅師伝記史料集成』と本書は相互補完の関係にあり、姉妹編といえる。
吉田/道興
1942(昭17)年、東京に生まれる。北海道芦別市禅法寺元住職。駒澤大学仏教学部卒業、同大学院博士課程満期退学。愛知学院大学名誉教授
第一章 伝記研究入門
第一節 「高祖伝研究」ノート
第二節 興聖寺時代における懐奘禅師の行実
第二章 道元禅師伝の粉飾的記事その一
第一節 誕生逸話・弾虎【シュ】杖・一夜碧巌・一葉観音
第二節 道元の仏祖崇敬(禅宗逸話)、史実と信仰、三箇霊瑞
第三章 新到列位問題
第一節 新到列位に関して
第二節 戒牒に関して
第三節 再考「新到列位問題」
第四章 諸種の伝記史料における書誌学的研究
第一節 宝慶記と高祖道元禅師伝
第二節 内閣文庫所蔵の道元禅師伝(二種)に関して
第三節 道元禅師伝の史料研究
第四節 無著道忠筆『永平禅師三祖行業記』の翻刻・紹介
第五節 瑩山禅師撰とされる『道元禅師伝』考
第六節 宮城県瑞川寺蔵『永平開山道元和尚行状録』について
第七節 道元伝における天童山の「開堂演法」に関して
第八節 愛知県松源院所蔵『道元禅師行状記』について
第九節 愛知県西明寺所蔵『永平祖師行状記』について
第五章 道元禅師の「絵伝」
第一節 道元禅師「絵伝」考
第二節 道元禅師「絵伝」台本考
第六章 道元禅師の伝記と切紙資料について
第一節 室内関係資料を中心に
第七章 版橈晃全撰『僧譜冠字韻類』所載の「道元伝」と「懐奘伝」
第一節 『僧譜冠字韻類』所載の「道元伝」考
第二節 永平寺二祖孤雲懐奘禅師の出自考
第八章 道元禅師伝の粉飾的記事その二
第一節 『永平開山元禅師行状伝聞記』における「伝説・説話」の類型
第二節 羅漢信仰の進展と「十六羅漢図」の流布
第三節 「高祖弾虎図」の成立と展開
第九章 道元禅師伝の粉飾的記事その三
第一節 「聖徳太子伝」と「道元禅師伝」の霊瑞・神異譚考
第二節 「道元伝」の霊瑞・神異譚と「最澄伝」および「空海伝」との比較考
第十章 道元禅師伝と道正庵
第一節 高祖伝の形成と道正庵
第十一章 如浄禅師会下における道元禅師
第一節 『宝慶記』における叢林生活の一考察
第二節 如浄会下における道元禅師
第一章 仏法の全道
第一節 正法眼蔵における声聞行
第二章 道元禅師の修証観「修証一等」
第一節 本証妙修と自己との間
第二節 心塵脱落と身心脱落について
第三節 「本来本法性」疑団の考察
第四節 道元禅師の人間性
第三章 道元禅師における諸種の観点
第一節 『正法眼蔵』における正と邪
第二節 道元禅師における仏陀観
第三節 道元禅師の比丘尼・女人観
第四節 「海印三昧」と道元禅師
第五節 道元禅師の霊魂観
第六節 『正法眼蔵』における生死観考
第七節 道元禅師における仏弟子観
第四章 道元禅師の受戒と伝戒
第一節 道元禅師の受戒と伝戒考
第二節 如浄禅師よりの伝戒に関する問題点
第三節 道元禅師の十六条戒の成立について
第四節 道元禅師と懐奘禅師との戒律観
第五節 道元禅師の菩薩戒重受について
第五章 宗門祖師の嗣法観
第一節 独庵玄光の嗣法観とその背景
第二節 愛知学院大学図書館所蔵・横関文庫『独庵俗談根源鈔』翻刻
第六章 近世の「受戒」・「授戒会」とその問題
第一節 道元禅師外伝「血脈度霊」逸話考
第二節 伝寂室堅光撰『普勧授戒之縁由』考
第三節 「受戒」信仰について
第四節 『修証義』成立後の諸問題
第七章 『学道用心集』の出版
第一節 永平六世・宝慶三世曇希開版の延文二年版『学道用心集』をめぐって
愛知大学現代中国学部現地研究調査委員会編 発行:愛知大学 発売:あるむ
B5判/並製 総頁186頁 ISBN978‒4‒86333‒145‒7 C3030
本体価格 2,000円(税込2,200円) 2018年5月7日発行
愛知大学現代中国学部学生により行われた現地研究調査報告、南寧編。
第19弾は、広西チワン族自治区の首府・南寧市を訪問。企業・都市・農村の三班に分かれ、中国労働関係学院の学生とともに共同調査を実施。
「日中大学生国際シンポジウム」での調査報告も中国語原文にて収録。
中国人従業員のやる気を引き出すインセンティブ
中国企業に罰則制度は必要不可欠か
工会がよりよい職場環境づくりに果たす役割
南寧市にみる新型都市化計画の最前線
戸籍制度と学校教育制度の関連性について
南寧の家庭教育
農民たちの自己意識
農村部における子どもの夢と親たちの子どもに対する期待
民居の変化からみた新農村建設